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蕾は開き咲きほこる
第20章 旅行

「寒くはないですか?」
「はい、大丈夫です」
「でしたら、もう少し先まで行って戻りましょう」
そう言って、私たちは手を繋いで旅館の近くにある湖の遊歩道を歩いている。
桜子さんたちが部屋に入った後、私たちも一緒に部屋付きの露天風呂に入ろうと誘われた。
だけど、それはハードルが高くて一緒にお風呂に入るのには抵抗があった。
何度もエッチをして裸を見られているといっても、それとこれとは別で戸惑い、いつものようにテンパる私。
そんな私の気持ちを汲んでくれた光春さんが散歩にでもでかけようと誘ってくれて、懐かしい場所に足を延ばす事に決めた。
懐かしい場所とは私と光春さんが始めてプライベートで話をした場所。
2年前の今頃、社員旅行で訪れ、部屋に居場所がなかった私はひとりでこの湖まで足を延ばし、焚火をして朝焼けを待っていた光春さんと出くわしたくさん話をした。
ここで出会わなければ、今の私たちはなかったと思う。

