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蕾は開き咲きほこる
第20章 旅行

「なんだ?それっ」

「言葉の通りですよ。そういうところは昔と変わらないんですね」

「はぁ?それどういう意味だ?」

「そのままの言葉ですよ」

ふたりは私を挟んで言い合いを始めた。
ああ言えばこう言うでお互いにポンポンとテンポよく言葉が飛ぶ。
喧嘩はやめてほしいと思っても言葉が出てこない。
間に挟まれてなすすべもなく呆然としていると、桜子さんが私の手を引いてふたりの間から助けてくれた。
桜子さんの横に座り直した私の目の前では光春さんと武史さんの言い合いは続く。

「あっ、あのっ、」

やっぱり私が原因だから止めようと言葉を発しようとした時、桜子さんが静かに私を制した。

「いつもの事だからほっといていいわよ」

「いつもの事?」

光春さんの大事な友達を怒らせてしまった手前、そうもいかない。
そして何よりも、いつも物静かな光春さんが言い合いをする姿が信じられなかった。

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