この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬
「待ち受け変えたんだ」
「あっ、はい、桜の季節ですから」
出先から戻ってきた羽間さんは、変わったばかりの待ち受け画面に気が付いてくれた。
これは、昨日、光春さんと近くの公園に撮影を兼ねてお花見に行った時の写真。
本当はふたりで撮った写真を待ち受けにしたいけどそれも出来ず、いつの間にか流行りとなっているふたり並んでいる影を撮った写真を待ち受け画面に変えていた。
「やっぱり桜は華やかだよね。俺も桜に変えたんだけどさっ、前は彼女欲しくて待ち受けにしてたけど、俺はやっぱりこっちがいいかなって」
そう言って見せてくれたのは、満開に咲く桜の下に置かれているバイクの写真だった。
「好きなモノを待ち受け画面にするのが一番いいですよね。見るたびにテンションあがりますし」
「そうそう、分かってくれる?」
羽間さんは自他共に認めるバイク好き。
正直、バイクの事は分からないけど、好きな話をにこやかにする羽間を見るのは好きだった。