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蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬

「あっ、あのっ、今日、光春さんが帰ってくるの待っていていいですか?」

彼女に聞こえないように小さな声で聴くと、光春さんは少し驚いていた。

「何時になるか分かりませんよ」

「それでもいいんです。待ってちゃダメですか?」

それでも待ちたいと言い張る私に、光春さんは笑う。

「わかりました。なるべく早く帰るようにしますが……時間が読めませんので私の事は気にせずに先に寝てください――汐里の我儘もたまにはいいですね」

それだけ言い残し、接待相手の女性と一緒にタクシーに乗って行った。
そんなふたりにモヤモヤと残る気持ちを抱きながらスマホを取りに会社に戻った。
電車の中で考えることは光春さんとあの女性の事。
私とは違い自信に満ち溢れた感じの女性だった。
接待相手なのだから光春さんと対等に仕事ができる有能な女性なんだろう。
ビシッとパンツスーツを着こなし、光春さんと並ぶと見劣りしなかった。
そんな女性と一緒に飲みに行った光春さん……

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