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蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬
光春さんの言葉に答えない代わりに、私は玄関から出ようとノブに手を伸ばした。
だけど、その手を光春さんに取られて開くことはできなかった。
「汐里?いったいどうしたんですか?」
私が何に対して怒っているか全く分かっていない。
以前、私が他の人と話すのを見てイヤな気持ちになり、その笑顔を誰にも見せないようにしたいと言った言葉を思い出す。
その時に感じた気持ちを私が感じていると、光春さんは分かっていない。
「汐里、言いたいことがあったら言ってください。言ってもらわないと分かりませんよ」
本当に分からないと言った表情と戸惑いを見せ、いつも冷静な光春さんが戸惑う姿を初めて見る。
それだけ、私の態度がいつもと違うのだろう。
「汐里?」
俯く私を下からのぞき込み優しい声音で問いかける。
まっすぐに見つめてくる瞳に、何も気が付いていない光春さんに対し、自分の中の何かが弾き壊れた。
だけど、その手を光春さんに取られて開くことはできなかった。
「汐里?いったいどうしたんですか?」
私が何に対して怒っているか全く分かっていない。
以前、私が他の人と話すのを見てイヤな気持ちになり、その笑顔を誰にも見せないようにしたいと言った言葉を思い出す。
その時に感じた気持ちを私が感じていると、光春さんは分かっていない。
「汐里、言いたいことがあったら言ってください。言ってもらわないと分かりませんよ」
本当に分からないと言った表情と戸惑いを見せ、いつも冷静な光春さんが戸惑う姿を初めて見る。
それだけ、私の態度がいつもと違うのだろう。
「汐里?」
俯く私を下からのぞき込み優しい声音で問いかける。
まっすぐに見つめてくる瞳に、何も気が付いていない光春さんに対し、自分の中の何かが弾き壊れた。