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蕾は開き咲きほこる
第23章 告白
「ごめん、ありがとう」
受け取ったハンカチで額を拭いた後、近くにある自販機で水を買ってゴクゴクと喉を鳴らしながら半分ほど流し込んでいた。
どうしてここにいるのか分からなかったけど、電車が入ってくるアナウンスが聞こえ行くことにした。
「電車が来たので行きますね」
それだけ告げて改札口に向かおうとした瞬間、、定期を持っている手を突然つかまれ、声にならない悲鳴のようなものを上げて身体を硬直させた。
「えっ、あっ、ごっ、ごめん」
私の恐怖が伝わったのか、羽間さんは慌てて私の手を放して一歩だけ距離をとってくれた。
「ほっ、本当にごめん!!怖がらせるつもりじゃなかったんだ……行くって言葉に驚いて、つい……怖がらせたよな。本当にごめん」
私の性格を理解してくれてるだけに、本当に申し訳なさそうに何度も頭を下げてくれている。
「大丈夫、ですよ。急に手をつかまれてびっくりしただけですから」
大丈夫だと告げると、ホッとしたように苦笑いを浮かべていた。