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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
いつもだったら私の横には光春さん、桜子さんの横には長野さんさんがいるはずなのに、今日はそれが当然かのように光春さんには桜子さん、私には長野さんが隣を歩いて園内を回っている。
それに関して私も長野さんも何も言うつもりはない。
ただただ、光春さんと桜子さんの後姿を見守るだけだった。
「相変わらず見事ですね」
「本当、あの頃と何も変わらないわね」
この園で一番大きな藤棚を目の前にして、二人は顔を見合わせて笑い見上げていた。
少し時間が経つと、光春さんは一眼レフを手に写真を撮り始めた。
いつもと同じようにゆっくりとした足取りで真剣にファインダーを覗き、だけど、時折視線を桜子さんに向けて話しながら先に進む。
私たちがいないかのように先に進むふたりを見ていると寂しさが沸き上がるけど、今日はこれでいい、このために桜子さんを誘ったのだからと自分に言い聞かせながら私たちも藤の花を見て回った。
それに関して私も長野さんも何も言うつもりはない。
ただただ、光春さんと桜子さんの後姿を見守るだけだった。
「相変わらず見事ですね」
「本当、あの頃と何も変わらないわね」
この園で一番大きな藤棚を目の前にして、二人は顔を見合わせて笑い見上げていた。
少し時間が経つと、光春さんは一眼レフを手に写真を撮り始めた。
いつもと同じようにゆっくりとした足取りで真剣にファインダーを覗き、だけど、時折視線を桜子さんに向けて話しながら先に進む。
私たちがいないかのように先に進むふたりを見ていると寂しさが沸き上がるけど、今日はこれでいい、このために桜子さんを誘ったのだからと自分に言い聞かせながら私たちも藤の花を見て回った。