この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
勢いで出してしまったけど、このケーキが桜子さんに取ってどういうものか知ってる私は配慮がかけていたんだと、出してしまった後に後悔した。
「あのっ、そのっ」
慌てる私に、光春さんは私の手をポンポンと叩いて大丈夫だと言ってくれる。
「今日、桜子さんとここに来ることが決まって、一緒に食べたいと思ったんです。末広が最後に買いに行ったケーキを……これが本当に前に進む事だと思うんです」
5年前、桜子さんと喧嘩をしてしまった末広さんが桜子さんとの仲直りのために買いに行ったケーキ。
結局はその帰り道で末広さんは事故にあい帰らぬ人となった。
そのケーキを最後に過ごしたこの場所で食べたいと、ひとりで買いに行こうとする光春さんにわがままを言ってついていった。
末広さんが亡くなった事は桜子さんには辛い事だけど、光春さんだって親友を亡くして辛いはず。
辛い時は傍にいて支えてあげたいと、ふたりで買いに行っていた。
「あのっ、そのっ」
慌てる私に、光春さんは私の手をポンポンと叩いて大丈夫だと言ってくれる。
「今日、桜子さんとここに来ることが決まって、一緒に食べたいと思ったんです。末広が最後に買いに行ったケーキを……これが本当に前に進む事だと思うんです」
5年前、桜子さんと喧嘩をしてしまった末広さんが桜子さんとの仲直りのために買いに行ったケーキ。
結局はその帰り道で末広さんは事故にあい帰らぬ人となった。
そのケーキを最後に過ごしたこの場所で食べたいと、ひとりで買いに行こうとする光春さんにわがままを言ってついていった。
末広さんが亡くなった事は桜子さんには辛い事だけど、光春さんだって親友を亡くして辛いはず。
辛い時は傍にいて支えてあげたいと、ふたりで買いに行っていた。