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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
どこに向かっているのかと光春さんの後についていくと、園内を出て隣接する建物に入っていった。
門をくぐると、園内と違い青々と茂る青もみじの通路が綺麗で、足を止めると爽やかな風が吹き抜けまぶしい程の青もみじの葉を揺らしていた。
「きれい……」
藤の花もきれいだと思ったけど、初夏の青もみじも太陽の光に照らされ、きれいだった。
「そうですね。色鮮やかな花もきれいですが、この季節の青もみじなんかの新緑もきれいですよね。特に静かな場所で愛でるのも五感に響くと思います」
光春さんは少し眩しそうに眼を細めて空を見上げていた。
その横顔には先ほどの寂しさは見当たらず、ただ、何かを考えているように見上げていた。
「写真、撮らなくていいんですか?」
「ええ、今日はこのままで」
いつもだったら直ぐに写真を撮るのに今日は眺めるだけで、時折目を閉じて新鮮な空気を体内に取り込むように深呼吸をしていた。
門をくぐると、園内と違い青々と茂る青もみじの通路が綺麗で、足を止めると爽やかな風が吹き抜けまぶしい程の青もみじの葉を揺らしていた。
「きれい……」
藤の花もきれいだと思ったけど、初夏の青もみじも太陽の光に照らされ、きれいだった。
「そうですね。色鮮やかな花もきれいですが、この季節の青もみじなんかの新緑もきれいですよね。特に静かな場所で愛でるのも五感に響くと思います」
光春さんは少し眩しそうに眼を細めて空を見上げていた。
その横顔には先ほどの寂しさは見当たらず、ただ、何かを考えているように見上げていた。
「写真、撮らなくていいんですか?」
「ええ、今日はこのままで」
いつもだったら直ぐに写真を撮るのに今日は眺めるだけで、時折目を閉じて新鮮な空気を体内に取り込むように深呼吸をしていた。