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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩

「汐里」

光春さんに名前を呼ばれて庭園から視線を戻すと、光春さんは真っすぐに私を見ていた。

「どうしたんですか?」

そう聞き返せば、光春さんは一度大きく深呼吸した後、ゆっくりと言葉を紡ぐ。

「末広には、もう心配しなくて良いと伝えました。私には誰よりも大切にしたい女性ができた、今まで感じたことのない程、大切に守っていきた女性ができたと……桜子さんが私の手から離れた今、自分の幸せの為に生きていくと……それを、どうしても伝えたかった。どうしても私の大切な人を末広に合わせたかった。そして見守られながら伝えたかった」

「光春、さん?」

光春さんが言いたいことが分からず聞き返せば、光春さんは私の両手を痛いほど掴んできた。
その痛みを感じながら光春さんは言葉を繋ぐ。

「汐里……――私と、一生を共にしてくれませんか?これからの人生を私と共に歩んでほしい」

光春さんの言葉を聞いた瞬間、周りの音が消えたかのように静寂になり、光春さんの言葉だけが頭の中をグルグルと回る。

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