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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
「汐里の言う通り末広に話しかけてました。本当はお墓や仏壇の前で報告するのが普通でしょうが、なんとなく、この場所で報告した方がいいんじゃないかと思ったんです。最後に笑いあった場所、最後に言葉を交わした場所。だからこそ、末広の魂が、まだここにあるんじゃないかと考えてしまう。だからこの場に来て報告したかったんです。桜子さんには寄り添ってくれる人ができ、その人は、末広を思う桜子さんの気持ちごと包んでくれる人だから、もう、私が傍で支える必要はなくなった、あの時の約束は果たされましたよねと。それに、私にも桜子さんより優先したい女性……一生を共にしたいと思う女性ができたと報告しました」
「私との事も?」
「もちろんです。私の事も心配していましたからね。このまま彼女を作らないで人生を終えるのかと言われたこともありましたから」
光春さんの言葉に、飲みながら説教をする末広さんの姿が浮かんだ。
会ったことはないけど、真剣に光春さんの事を心配してくれている姿が良く分かる。