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蕾は開き咲きほこる
第3章 課長の素顔
「勘違いが解けてよかったです。……私が彼女だなんて、課長に迷惑ですから……」
自分で言いながらみじめになる。
それに、課長も私と勘違いされて嫌そうに直ぐに否定した。
落ち込む私と違って女将さんは笑顔だった。
「そうかしら?光春くんもまんざらでもない気はしたんですけどね。でも、本当に珍しい事なんですよ。どんなに一緒に見に行きたいと言った女性でも連れて行ったり一緒に時間を過ごすことをしませんでしたから、自分の神聖な空間に他人を入れたくないと言ってね。ですから、これからも光春くんの事よろしくお願いしますね」
女将さんは、最後に私の手を握り仕事に戻っていった。
正直、女将さんの言葉の真意は分からない。
だけど、その言葉が本当だったらいいなと思う自分がいた。