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蕾は開き咲きほこる
第3章 課長の素顔

「あっ、あの、課長とは親しいんですか?」

出されたお茶を飲みながら聞くと女将さんはすぐに教えてくれた。

「ええ。私と主人と光春くんは高校の時の同級生なんですよ。部活も同じで、カメラ部だったんですけど未だに付き合いが続いてるんです。季節の変わり目には顔を出してくれて光春さんと私とで写真を撮りに行くぐらいなんです」

高校からの仲だと言われ、ご主人もいると言われてほっとする自分がいた。
それにカメラ部だと言われて、あの真剣な眼差しと高価なカメラも頷ける。

「だから驚いたんですよ。頑なで自分のテリトリーに人を入れたがらない光春くんが女性と朝まで一緒にいたと分かって。だから彼女だと勘違いしてしまったの。ごめんなさいね」

女将さんは謝ってくれたけど、謝られることでもない。
それに、こんな私が課長の彼女だと勘違いされるのは課長に失礼だと思う。

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