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第35章 精子の匂いを体にまとい

「あっ、ちょっと待て」

太田は駅に向かおうとした広美を呼び止める。

広美はまた何かをされるのではと嫌な顔で振り返り太田を見た。

「今日は学校の近くまで車で送ってやるよ」

広美は困惑するが、太田は話を続ける。

「ほら、お前の口の中まだ匂うだろ」
「そんな臭い口で電車になんか乗ったら迷惑掛かるだろ」

広美は臭いと言われ、自分の手を口にあて息の匂いを確認した。

(やだ、結構匂う、たしかにこんなんで電車乗れないよぉ)

しばらくして太田が車に乗って広美を迎えにきた。

「ほら乗れ、あとお前口臭いから、このマスクしとけ」

口の匂いは太田の仕業なのに、あたかも広美の口が臭いかのように言われ広美は悔しい気持ちになる。

太田はわざと広美の口が臭い振りをして嫌がらせをする。