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第7章 戸惑い

俊哉は翔太に彼のイヤらしい記録をたくさん見せつけられてから、翔太とともに食事のため夜の街に繰り出していた。

少し小洒落た雰囲気の酒も提供するカフェを俊哉が選んでカウンターに座った。
ピークの時間帯ということもあって店内は込み合っていた。
二人は生ビールを注文すると、ツマミを単品か頼んだ。

「じゃ、おつかれー」

二人はグラスを合わせるとグビグビと音を立てて、一気にビールを半分くらい飲んだ。

翔太「あー最高だな」

翔太はさっきの事がなかったかのようにたわいもない話を始めた。仕事の愚痴や、休日のゴルフ接待の話だ。俊哉も同調できる話題で楽しげに会話が続いていく。


３０分くらい時間が過ぎたあと翔太が顔を近づけてきた。

翔太がこそこそと俊哉の耳の近くで喋った。

翔太「となりの二人どう思う？」

俊哉は会話に夢中で翔太の隣のカウンター席にどんな人物が座っているか全く気にも止めていなかった。

俊哉は目線を動かして、翔太越しに横のカウンター席を見た。

そこに座っていたのは女性の二人組であった。二人ともかなりあか抜けているように見える。手前の子も美人だが、奥の子は今まで見たことないレベルのとびきりの美人だった。二人とも大人っぽく見えるが、聞こえてくる声の若さから恐らく大学生だろう俊哉は思った。

俊哉も声を潜めて翔太に答えた。

俊哉「メチャクチャかわいい」

翔太「奥の子だろ？」

俊哉「ああ」

俊哉はそのあと翔太との会話に戻っても横の二人のことを意識してしまうようになった。
翔太と話ながら彼女たちの方にチラチラと目線を移した。

そんなことをしているうちに
奥の彼女と一瞬目があった。俊哉は内心ドキリとした。
気のせいかもしれないが少しだけ彼女が微笑んだように見えた。