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美女の身影
第10章 ほつれ
岸田貴文はマッサージの仕事を始めて、今年で10年目になる。35歳で前職を辞めてから10年なので現在45歳だ。

受付の担当者から新規の予約があったと連絡があり、都内の高級ホテルに向かっていた。

岸田の勤めるマッサージ店は確かな施術に定評があり、この辺りの高級ホテルの御用達となっていた。

高級ホテルが中心で、マッサージということもあり利用者のほとんどは中年から年配の年齢層に固まっていた。

岸田は予約があったホテルに到着すると、フロントに挨拶をしてエレベーターホールに歩を進める。

指定の部屋までエレベーターで直行する。

利用者がいる部屋の前に来ると部屋のドアをノックした。

コンコンコン

岸田「失礼します。○○マッサージです。」

「はーい」

若い女性の声が聞こえてきたので岸田は少々面食らった。

ガチャと音がして、綺麗な髪がドアの隙間から現れた。
ドアが大きく開かれると透き通るような肌の若い女性が視界に飛び込んでくる。

口元に少し笑みを浮かべている。

岸田「あの、本日はありがとうございます。よろしくお願い致します。」

ユウナ「あ、はい よろしくお願いします。どうぞ」

そういうと彼女は岸田を室内に案内した。

彼女の後をついて行くとふわっとさわやかな香りが岸田の鼻をついた。

モデルのような線の細い後ろ姿だった。

岸田「・・・」

ユウナ「・・・えー・・と」

岸田「あ、すみません」

岸田はあまりの美しさに思わず見入ってしまっていた。

岸田「1時間コースのご予約ありがとうございます。一応ご案内させていただきますが、通常のマッサージを今回ご予約いただいておりますが、今特別キャンペーン中でして、通常価格に1000円追加でオイルマッサージに変更できます。いかがいたしましょう?」

ユウナ「オイルマッサージにできるんですね。うーんどうしましょう・・・皆さん結構オイルマッサージされますか?」

岸田「そうですね!女性は特に選ばれる方多いですね」

ユウナ「わかりました、それじゃあオイルマッサージでお願いします」

岸田「かしこまりました」

岸田は彼女のあまりの美貌に緊張の色を隠すことができなかった。
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