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第1章 女子大生長坂ユウナ

開けられた甘い爽やかな香りがドアの隙間から入り込んでくる。
今日のシフトの最後の一人だった。
長坂佑奈(ユウナ)は、都内の私立大学に通う1年だ。

彼女は悟史を見つけるとニコッと笑って軽く会釈をした。悟史の目が佑奈のガラス玉のように透き通った目と一瞬合う。

佑奈「おはようございます」

悟史「あ、おはよう」

悟史は佑奈を見る度に吸い込まれそうな感覚になっていた。
佑奈が高校卒業を控えた3月にこのバイトに入ってからもう7、8回一緒に働いているが彼女のオーラにまだ慣れる事ができなかった。

佑奈「今日もよろしくお願いします」

佑奈はまた軽く会釈すると、笑みを絶さぬまま持ち場へと歩を進めた。

ダークブラウンに染められたサラサラのミディアムヘアをなびかせて佑奈は更衣室へと向かっていった。