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第10章 ほつれ

井上淳は同じ大学一年の友人の中津と里原と共に東京観光に訪れていた。

三人とも好きな歌手が合致して、親しくなった仲だ。
今回の東京観光もその歌手のライブ観戦が主な目的だった。
先ほどライブが終了し、ビジネスホテルへ帰る道中だった。

興奮冷めやらぬままライブの感想を皆で言い合う。
話題が尽きることがなかった。

三人は静岡県からこの都心に観光に来ていた。
明日午前中東京観光して帰路につく予定だ。

淳は地方にはない都心のきらびやかなネオンに高揚感のようなものを感じていた。

すれ違う人が皆あか抜けて見えた。

三人はホテルに戻る前にコンビニに寄った。

コンビニに入った瞬間、中津がひそひそと淳と里原に話しかけた。

中津「なあ、コンビニの正面にいた女の子見た？」

淳「いいや。その子がどうしたの？」

中津「いや、メチャクチャ可愛いくてさ！モデルとかしてそうなレベルの」

里原「ほんとかよ・・・？」

三人ともコンビニの窓越しに外を見た。

淳は思わず目を見開いた。

ワンピース姿の見たことがないレベルの美女が淳の視界に飛び込んできた。