この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
美女の身影
第10章 ほつれ
淳は中津と里原と居酒屋の個室にいた。
そしてその中に四人目の人物がいた。
淳がジャンケンで負けて声を掛けたあの美女だった。
淳が彼女に声をかけてから、何となく二人の会話ができていることを見て、あの後中津と里原がコンビニの外に出てきたのだ。
淳に連れがいると知って彼女は少し驚いていたが、同い年だと知ると敬語もなくなった。
3人が他県から旅行に来たと知ると、彼女はなんでこんな所で声かけしてるのかと笑った。
淳は二人が合流して3対1になって心強かった。
彼女はなんでも会う予定だった友達が急遽来れなくなったと連絡があり、家に帰ろうかと思っていたところだったそうだ。
良かったら今から食事でもどうかと誘うと、彼女は少し悩んだ顔をしたあとオッケーした。
人生で見たこともないような美女にオッケーをもらい3人は心の中でガッツポーズをした。
半ばふざけて声をかけたのが、嘘みたいにトントン拍子でオッケーをもらい本当の事なのか現実味を淳は感じていなかった。
小洒落た居酒屋がすぐの所にあり、特に考えずにそこに決めた。
4人とも未成年だったが、大学生のお決まりの流れで当然のように酒を頼んだ。
男3人も美女が相手だと張り切って喋るし、彼女も飛び抜けた容姿を持っているが決してお高く止まるわけではなくかなりノリが良く、良く笑った。
1時間も経つと4人はすっかり打ち解けていた。
最初にお互いが自己紹介したときに彼女は『ユウナ』と下の名前だけ名乗った。