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美女の身影
第13章 狙い目
光樹が友人の大翔からメッセージを受け取ったのは、今から3日前の事だった。

サークルの活動で知り合った別の大学の女子と夕食を食べる事になったから来てほしいといった内容だった。

光樹はスケジュールを開いて、その日の予定を確認したが、あいにくその日はバイトが入っていた。

せっかくだが致し方ないと、光樹は断りのメッセージを入力し始めた。

入力中に追加で大翔からメッセージが届いた。

『めっちゃかわいい子達と飯いけるぞ!』

光樹はその文面を見たとたんに完成しかけていた断りの文章を書く手を止めた。

『マジ?』と光樹はメッセージを送る。

またすぐに大翔から返事がきた。

『マジマジ!今回はマジだから!光樹行くよな?』

前回大翔が同じようにハードルを事前に上げに上げて望んだ合コンが全く期待ハズレに終わった事は記憶に新しい。

光樹は半信半疑だったが、そこまで言われれば断る手はなかった。

バイト先の店長に急用が入った事を丁寧に連絡し何とか工面してもらえる事になった。

そして今夜、光樹は指定された場所で大翔を待っていた。
が、定刻を過ぎても一向に大翔は現れなかった。

光樹はメッセージを入力した。

『まだ??』


すぐに返信は届いた。

『悪い、15分くらい遅刻する』

また大翔の遅刻癖がでてしまったようだ。
それ自体には驚かないが光樹は女の子達の連絡先も顔も知らないので、先に集合しようもないなと思った。

光樹は辺りを見回した。だがここは色々なグループが待ち合わせで使うスポットだ。
それらしい人などいくらでもいる。

ざっと見た感じ大翔の言う「かわいい子」もチラホラいた。

こんな子と食事できたらいいなと思うレベルの子も何人かいる。

その子達も待ち合わせをしているのか、辺りを見回していた。

その子達がこっちに目線を向けたときに何故か光樹は目を反らしてしまった。

こんな状態で声をかけられはずがなかった。
こっちもだろうし、向こうもそうだろう。

「大翔早く来てくれ」と光樹は願うばかりだった。
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