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美女の身影
第16章 玩具
ガチャン

和也はユウナと手を繋いだまま翔太の家のベッドルームに足を踏み入れた。

寝室にしては広い部屋で、キングサイズのベッドが備え付けられていた。

和也「10分は長いよな、翔太のヤツ」

ユウナ「強引でしたね・・・ いつもああなんですか?笑」

和也「いや、こんな事させられたの始めてだよ」

翔太の事を表向きは恨みっぽく言ってみたが、このシチュエーションは本来相当感謝しなければならない状況だとは思う。


何せこのハイクラスの美女と手を繋げているのだから。
それどころかこの密室に二人きりでいることができているのだから。


和也「と、とりあえず座る?」

座ると言っても座れそうな所というとベッドしかない、

ユウナ「そうですね、とりあえず座りましょ」

和也とユウナは手を繋いだままベッドの淵に腰掛けた。

和也「・・・・・」

ユウナ「・・・・・」


和也は緊張でユウナの顔が見られなかった。
さっきまでユウナをイヤらしい目で見て妄想を膨らませていたのが嘘だったみたいに意気消沈していた。


いざこんな状況に年下の美女と二人きりにされても、どうアクションしたらいいのかわからなかった。
もっとまずいことに何を話していいのかもわからなくなってしまった。


繋いだ手の平の界面がさっきからじっとりと湿っている。
和也はそれが自らの手汗のせいだと言うことはわかっていた。


和也「手、汗かいてごめん、ずっと握ってる必要ないよね」

和也が手を離そうとすると、ユウナの手の平にぐっと力が入り握り返してきた。

和也「え・・・・、と」

思わずユウナの顔を見ると真顔で真っ直ぐにこちらを見つめている彼女と目が交差する。
あまりにも綺麗で吸い込まれそうな瞳だった。

何秒そのまま目が合っていたかわからない。

ユウナはゆっくりと口角をあげて、口を開いた。

ユウナ「手を離したら・・・翔太さんに怒られるかも」

少しイタズラっぽい表情で真っ直ぐに目を見つめながら話しかけてくるユウナ。

和也「そんな、言わなきゃわからないでしょ・・・」

ユウナ「チェックしに来るかもしれませんよ?」

和也「それ厳しすぎでしょ笑」

ユウナ「でも、やっと・・・・」

和也「ん?」

ユウナ「・・・やっと、ちゃんと目が合いましたね」

ユウナは微笑みながら、真っ直ぐにこっちの目を見ながらそう言った。
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