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美女の身影
第6章 噂の美人
四人が席に戻ってくる。
皆同じ日替わりパスタとドリンクをオーダーしていた。

彼女達はスプーンとフォークを使って綺麗にパスタを巻いては口に運んだ。

食べながらも彼女達の会話は続く。

彼女達の内の1人の彼氏の話で盛り上がっていた。
ここが優しいだの、この前のデートは気を遣ってもらえなかっただのそんな内容の話だ。

話が一段落したところで、一通り彼氏の話を披露していた女子が長坂佑奈に話を振る。

「ねぇユウナはどうなの?」

佑奈「え?わたしはないなぁ・・・笑」

その気になれば誰でも堕せそうな美貌の長坂佑奈の近況が皆気になるのだ。

「カレシできたらすぐ教えてね!」

佑奈「もちろん」


長坂佑奈に仮に彼氏が出来てもおおっぴらに彼氏の生態を皆の前で披露する事はないであろう。
今時な見た目だが、その辺りの奥ゆかしさが彼女の存在を一段と特別な物にしているのかもしれなかった。


パスタを食べ終わり、ドリンク片手に談笑は続く。

その間4人はチラチラと周りからの視線を受けていた。
可愛い女子がいれば見てしまうのがこの年頃の男達だ。
その中でもやはり長坂佑奈に男達は目を奪われてしまう。
1度見るだけでは足りず二回、三回とチラチラ佑奈の方に目線を移してしまっていた。
佑奈を見て小声で何か言いながらニヤニヤしている男達もいた。

当然彼女達は周りからの視線に気づいている。
それは美しいものに課せられた宿命であった。
彼女達は基本、素知らぬ振りをして会話を続ける。

だが長坂佑奈だけは他と一線を画していた。
彼女は自然と目があった男にわずかに微笑みを返していたのだ、目があってちょっと気まずそうに少しだけ会釈するようなしぐさを見せることもある。

そんな返しを運良くゲットした男達は、当初濁った感情で視線を佑奈に向けていた心が洗われるような感覚になった。

それは幼い頃から人に嫌われるという事が無かった佑奈が自然と獲得していった特技のようなものであった。
こういった対応で長坂佑奈に純粋に憧れたり、ファンになったりする男達が続出することになるのである。
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