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美女の身影
第6章 噂の美人
『健人へ


健人が引っ越すということを聞いてから

昔の事をたくさん思い出しました

二人で遊園地に行ったこと覚えてますか?

同じジェットコースターに何回も乗りたがった私に付き合って乗ってくれて嬉しかったのを覚えてるよ

家で1日中ゲームしたときは、次の日二人とも風邪引いたね

夏には家族でバーベキューにも行ったね

最近は行けてなかったけど花火大会も一緒に行ったね

書ききれないくらい、もっと色々あるけどこれくらいにしておきます

もし、いつかこの手紙をまた読んでくれたときに

こんなことあったなあって思い出してもらえたら嬉しいな

今までありがとう

戻ってくる時は連絡してね
私が東京に遊びに行ったときは案内してね

お元気で


長坂佑奈』





健人は引っ越し先へと向かう車内で佑奈に渡された手紙を読んでいた。

元通り畳んで便箋に戻す。
そしてそれをリュックの中へしまい込んだ。

車窓には高速道路の代わり映えのしない景色が流れて行く。

健人はそんな外の景色を眺めながら小さく呟いた。


健人「全部・・・覚えてるよ」


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