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第6章 噂の美人

長坂佑奈と沢松健人の再会は突然訪れた。

週に何科目かあらかじめ大学側が生徒を振り分け、指定された時間帯に受講しなくてはならない単位があった。
パソコン操作の技能教習の講義もその中の１つであった。
生徒が強制的に振り分けられてしまうため佑奈は友達とこの講義を受ける事ができなかった。

あらかじめ指定された席へ佑奈が座る。

講義が始まると講師による出席確認の点呼が始まった。

そして、その時が訪れる。

「沢松健人さん」

「はい」

その名前が呼ばれると横に座っていた男子が返事をした。

佑奈「え・・・？」

聞き覚えのある名前に思わず声を出してしまう佑奈。咄嗟に彼女は横の席に座っている人物の顔を見てしまう。

健人も横の女子生徒に声をあげられ怪訝そうに佑奈の方を見た。

ほぼ同時に振り向いた二人の目が合う。
数秒の間をおいて二人は相手が誰なのか理解した。

健人「ゆうな？！」

佑奈「けんと・・！？」

まるで示しあわせかのような奇跡的な遭遇であった。
他県から東京の大学に進学した佑奈と、東京在住で都内の大学に進学した健人。同じ東京と言ってもこうして二人がたまたま横の席に座る可能性は限りなくゼロに近いと思われた。