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美女の身影
第20章 宴会
大塚「ライバルの商社も嫌々ウチと同様の接待をにやらされているらしいのですが、今年から若い女性が営業担当になったそうです・・・・」


佐竹「女を営業担当にしていい会社じゃないだろ、プリスジョンは・・・・」


大塚「普通担当させないと思うのですが、ライバル商社はなりふり構わずウチのシェアを奪いに来たようです。」


佐竹「それでもそんなにウチが減らさせるのはおかしいだろ?」


大塚「いや、今日打ち合わせで柿内部長に言われたのですが・・・・その」

大塚は左右を気にして話しにくそうにしている。

佐竹「何だ?」

大塚は観念して声のボリュームを落として話し始めた。


大塚「その女性営業マンが、美人というかグラマラスなそうで、・・・その、新商品の下着の試着など自ら買って出るような事をしているそうです・・・」


佐竹「そんなことを打ち合わせの場で柿内部長は言ったのか?」


大塚「その言葉のまま仰ってました。かなりニヤニヤされてましたよ。あとライバル商社も接待の場でプリスジョンの下着をモデルに着用させるお披露目会を催しているようなのですが、先月その女性営業マンが自らモデルとして出てきたようです」


佐竹「何だよそれ?社員にそんなことさせるなんて、会社的にマズすぎないか?」


大塚「それがその営業マン自ら進んで下着姿で出てきたみたいですよ?本業のモデル達に混ざっても負けてない抜群のプロモーションだったとおっしゃっておられました。柿内部長はかなりその営業マンの事を気に入っているようです」


反則だなと佐竹は思った。
プリスジョンの柿内部長のニヤニヤしたイヤらしい顔が目に浮かぶ。
佐竹の会社もプリスジョン向けに一泊二日の温泉旅館の接待を毎年やらされているが、あのエロ親父(柿内部長)の要望で毎回モデルを経費で雇って宴会の場で新作の下着を着させていかがわしい品評会を開かされているのだ。

今の時代確実にコンプライアンスに抵触するが、最大手のプリスジョンとの取引を維持する為色々な裏道を使って経費処理しているのだ。

競合他社も同じような接待をしているので、佐竹の会社だけが手を引く訳にはいかなくなっているのだ。

大塚「佐竹さん・・・どうしましょう?」

佐竹「ちょっと考えたい。まだ、上には報告するな・・・」

大変な事になったぞ、と佐竹は心の中で呟いた。
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