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美女の身影
第21章 夢中(序盤)
相田達之はこないだ一夜を共に過ごした高校時代のマドンナ 長坂佑奈の事が忘れられずにいた。


あの夜酒を飲んだあと長坂佑奈の部屋に誘われて、二人は大人の関係になったのだ。
達之に取ってすべてがめくるめく瞬間だった。


だがあれは彼女の一時の気まぐれであることは明白だった。
あの長坂佑奈が自分と付き合う理由がない、達之はそう確信している。
全く住む世界が違うのだ。
彼女の部屋を出てから一切連絡を取り合っていない。
長坂佑奈からも予想通り連絡が来ることはなかった。


「達之さぁこないだのデートすっぽかした話ししていい?笑」

達之「もういいよその話しは!笑」

達之は大学の仲の良い男友達3人と居酒屋に来ていた。
さも当然かのように皆アルコールを摂取している。

「えっ、何その話し?笑」

「いや、かなり良い感じだった大学の女の子がいたんだけど、デートの約束まで取り付けておいて寝坊してすっぽかしたんだ!笑」

「マジか!笑」

「どうしたら寝坊できるんだよ!」

「いやそれがさ、こないだやっと吐いたんだけど・・・笑」

達之「おい、言うなって!約束したろ?」

「いいじゃんか、武勇伝みたいなもんだし・・・笑
高校で1番可愛かった子と夜中までヤッてて、次の日起きれなかったんだとよww」

「えっ?!」

「なんだそれ?!どいうこと??彼女できたって事?」

達之「イヤイヤできてないって」

「じゃあワンナイトラブって事?!てか高校一?達之が?嘘だろw」

達之「ホントになんて言うか、あの人の気まぐれと言うか、奇跡みたいなもんだよ。その後全く連絡取ってないし」

「じゃあ今日取ろうぜ?w」

達之「いやいや絶対返ってこないから」

「ワンチャン返ってくるかもじゃん!と言うか、ここに呼べよw」

達之「馬鹿言うな、そんな急で来るわけ無いだろ」


そう長坂佑奈はそんな気軽に連絡を取っていい存在ではないのだ。
ましてやこんな大衆居酒屋にホイホイと現れるような存在ではないのだ。
と達之は頭の中で呟いた。

「駄目で元々だろwとりあえず送れよw」

返ってくるわけない。

そう思いながらも達之はスマートフォンを取り出して、

『久しぶり!今男だけで居酒屋』

と脈絡のない文章を入力し、少しドキドキしながら送信ボタンを押した。
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