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美女の身影
第21章 夢中(序盤)
40分後
長坂佑奈が到着するとそれまで饒舌に話していた友人達は一瞬言葉を失った。

佑奈「こんばんわ・・・・あっ、相田くんいた!」

整った美形の顔面に、艶のあるミディアムロングのしなやかな髪、スレンダーな体型、男友達達は全員長坂佑奈のあまりのルックスに見惚れてしまっていた。

佑奈「長坂佑奈です。すみません急に・・・」

「いえいえ・・・!」

「こっちが、勝手にお呼びだてして・・・!」

「お呼びだてって何だよ!堅っ苦しいな」

佑奈「ふふ・・・・」

佑奈は口許に手を添えてクスリと笑った。

そして笑いながら目線を達之の方に向ける。

達之は長坂佑奈と目が合うとドキリとした。

この前よりもメイクが濃いのか半端ない色っぽさだった。
リップの赤色も濃いように見える。

この4人とは誰とも釣り合わないような、スリムな体型にあったお洒落な服装だ。膝丈のスカートをはいていて、その下から靭やかな素脚が真っすぐに伸びていた。

達之「久しぶり、長坂さん・・・」

佑奈「久しぶり!相田くん」

長坂佑奈は口角をあげてニコリとしながら相田の隣の席に座った。
ふわっと上品な香水の香りが立つ。

「メニューどうぞっ」

佑奈「ありがとうございます」

佑奈が長くしなやかな腕を伸ばしてメニューを受け取ると、「みんな何飲んでるんですか?」と言いながら興味津々な様子で各々のグラスを見回した。


「佑奈ちゃんは・・・・あっ、えと達之が長坂さんって呼んでるから長坂さんって呼んだ方がいいのかな?」


佑奈「あっ、どっちでもいいです。でも下の名前の方が呼びやすいと思います。ながさかって言いにくいし・・・笑」


「じゃあ『佑奈ちゃん』で!」

「佑奈ちゃん何飲む?」

佑奈「皆さんお酒ですか?それじゃあ少しだけ・・・」

メニュー表に目を落とす佑奈の睫毛の長さに達之は驚く。

横顔のあまりの美しさに改めて別世界の存在であることを再認識させられる。

佑奈の達之に対する態度があまりに普通で、この間の出来事が達之のなかで幻のようにかすみ始めていた。
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