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美女の身影
第6章 噂の美人
ガチャ

長坂佑奈は忙しい金曜日の夜のバイトを終え店の裏口のドアを閉めた。

そして駅の方向へとゆっくりと歩きだした。

開店前に店の物置で将起に言われた言葉を思い出す。

『バイトが終わったら駅前の△△の前で待っててくれるかな?』

佑奈は何かを考えるような表情で歩き続けた。

そしてふと思い出したようにスマートホンをバックから取り出し、届いているメッセージの確認を行う。

複数の人物から佑奈宛にメッセージが届いている。

佑奈は一番上のメッセージからタップし、内容を確認すると親指を手早く動かし返信メッセージを入力する。

そうしている間に佑奈は駅に到着した。
いつも帰宅するときはこのまま真っ直ぐ進み、駅の改札に向かう。
今日は駅の直前で右折しそのまま歩き続けた。

佑奈が足を止めたのは将起に指定された△△の前であった。

彼女はそこで少し宙を見上げた。
ネオンの光が佑奈の瞳に映る。

彼女はそこで立ったまま、スマートホンで返信を続けた。

次のメッセージを開こうとした瞬間

一瞬佑奈の手が止まって、彼女の口元が緩む。
幼馴染の沢松健人からのメッセージだった。

佑奈は健人からのメッセージをタップする。

〈明日12時に○○駅集合でいいか?〉

佑奈は明日健人と遊ぶ約束をしていたことを思い出した。

健人のメッセージは妙な安心感があった。
佑奈は安らぎを覚えていた。

佑奈はすぐに返信を入力する。

〈オッケー!明日楽しみだね〉

佑奈は返信を打ち終えると、スマートホンをカバンにしまった。

少し離れた所からスーツを来たサラリーマンの二人組がチラチラと佑奈を見てなにやらコソコソと話しているのが視界に入った。

話しかけてほしくないなと佑奈は思った。

ふう と一息つくと佑奈はゆっくりと目を閉じた。
もう口元から笑みは消えている。


彼女は自らに言い聞かせた。

今ここに立っているのは私の影だ。

さっき店で将起と秘密のキスをしたのも私の影だ。

『あの夜』以来、影が答えを求めるから、行き先の見えない闇に私は迷い混んでいる。

『私』はさっきそのまま真っ直ぐ駅の構内に進み電車に乗って帰宅した。

ここで将起を待っているのは、私から分離した『影』だけだ。



ネオンの光を浴びて長坂佑奈の身影が夜の街に揺らめいていた。
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