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遠き記憶を染める色【完結】
第14章 あの時と同じ場所で、同じ気持ちで…
この日は抜けるような晴天で、風も穏やかな心地よい気候だった。
二人は4年前に初めてのキスを交わしたその場所に、並んで腰を下ろしていた。
「何しろ流子ちゃんには心配かけちゃったな。電話でもロクに話できなかったし…」
「サダト兄ちゃんは芸能人だもん。普通の人みたいにはいかないしさ。最低限はラインとかで知らせてもらってるから、私もだいたいは承知してるつもりだけど…。でも、あの女優とはホントにもう終わったの?大丈夫なの、お兄ちゃん的には…」
流子にとって、まずもっては”そこ”になる。
長島弓子とは別れたにしても、実際、サダトとしてはどう清算したのか…。
このことこそ、彼にとっても自分にとっても、さらに”二人”としても一番肝心な点であったのだ。
言うまでもなく…。
***
「あの人とは間違いなく終わったよ。完全に別れた…」
この一言で流子はひとまずホッとした。
やはり直接会って、本人の口からその言葉を聞くまでは、どうしてもスッキリしないものがあったのだ。
「そうなのね。…あのう、これは立ち入ったことだけど、私はずっとサダト兄ちゃんのことが好きだったし、愛する気持ちはどんどん深くなってるから…。どうしても知りたいの。あの人とは、別れてもまだ気持ち、そうなのかな…。忘れられないとか…。そういうの…」
彼女にしてはいつになく歯切れの悪い尋ね方になっていた。
しかも、彼の顔を見ずに、両膝を抱えて下を向きながら…。
らしくない…。
それはサダトだけでなく、彼女自身もよく承知していた。
だが、この時はどうしてもこうなった。
それは、彼からのリターンが怖かったから…。
そういうことだった。
そして、その答えはサダトの口からすぐに返ったきた…。
二人は4年前に初めてのキスを交わしたその場所に、並んで腰を下ろしていた。
「何しろ流子ちゃんには心配かけちゃったな。電話でもロクに話できなかったし…」
「サダト兄ちゃんは芸能人だもん。普通の人みたいにはいかないしさ。最低限はラインとかで知らせてもらってるから、私もだいたいは承知してるつもりだけど…。でも、あの女優とはホントにもう終わったの?大丈夫なの、お兄ちゃん的には…」
流子にとって、まずもっては”そこ”になる。
長島弓子とは別れたにしても、実際、サダトとしてはどう清算したのか…。
このことこそ、彼にとっても自分にとっても、さらに”二人”としても一番肝心な点であったのだ。
言うまでもなく…。
***
「あの人とは間違いなく終わったよ。完全に別れた…」
この一言で流子はひとまずホッとした。
やはり直接会って、本人の口からその言葉を聞くまでは、どうしてもスッキリしないものがあったのだ。
「そうなのね。…あのう、これは立ち入ったことだけど、私はずっとサダト兄ちゃんのことが好きだったし、愛する気持ちはどんどん深くなってるから…。どうしても知りたいの。あの人とは、別れてもまだ気持ち、そうなのかな…。忘れられないとか…。そういうの…」
彼女にしてはいつになく歯切れの悪い尋ね方になっていた。
しかも、彼の顔を見ずに、両膝を抱えて下を向きながら…。
らしくない…。
それはサダトだけでなく、彼女自身もよく承知していた。
だが、この時はどうしてもこうなった。
それは、彼からのリターンが怖かったから…。
そういうことだった。
そして、その答えはサダトの口からすぐに返ったきた…。