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第28章 少女の思惑

少女の思惑



現役アイドルグループ、レッツロールのメンバーである甲田サダトの突然死は、こと衝撃度に関して、著名人の死としても前例を見ないインパクトを世間に与えた。


東京湾で漂流していたサダトの死体が下半身の衣服は全く纏っておらず、局部が切断された状態で発見された第一報が公になると、まさに日本中が耳を疑った。


そして巷は、新たなその後の事実が明るみに出るたび、驚愕することにる…。


＊＊＊


まず、サダトの死が発覚した翌日には、家族と所属事務所に向けた”遺書らしきワープロ文書”が残されていたと明かされれ、誰もがその死は自殺と結論付けたが…。
捜査当局は、その時点でも自殺他殺両面の可能性を否定しない旨を表明したことで、人々は様々な憶測を駆り立て、ＳＮＳやネット等に流布させる現象が起こったのだ。


さらに事件発覚後３日目…、サダトの切断された”局部”が見つかったとの報道が成されるに至って、もはや甲田サダトの死はオカルト、都市伝説の括りに流れつく。


そう…、サダトのイチモツは、千葉県南端、大岬沖で回収されたのだ…。
他ならぬ、異次元の渦が口を開くと言い伝えられるあの浦潮が隆起する付近であった。

この事実がテレビのワイドショーで衝撃的に伝えられると、もはやネット上ではひとつの既成事実が一夜で伝説と化し、それは翌日の各局ワイドショーが一斉に取り上げる事態となったのだ。


＊＊＊


”…昨日、故甲田サダトさんの切断された局部と見られる男性性器が発見されたのは、ここ千葉県房総半島南端に位置する大岬沖の海上でした。…実は、この大岬は生前、甲田さんの親類が嫁いだ場所ということで、幼少期より、よく遊びに来ていたそうなんです…”


”ああ、現場の○○さん、じゃあ、甲田さんの局部が発見された場所は、甲田さんの、いわば縁の深い地だったと…。それは、やはり潮の流れとかそういった関係なんでしょうかね？”