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遠き記憶を染める色【完結】
第33章 少女が願った手に入れたいもの
翌日の夜、流子はデータを自宅に持ち帰って、そのすべてに目を通した。
彼女にとって、その”中身”はある意味、想定していたその通りのモノであった。


要は、サダトにとっての永島弓子との真実…、その”証拠”であった。
そしてそれらは、サダトの流子への深い思いで包み込まれてもいた。
このことを感じ取った流子に、もはや迷いなどなかった。


”まずは自分のやるべきことをやる…。私は彼と心だけでなく、体も溶け合ったんだもん。彼がこの世から去っても一緒、ううん…、一体なのよ、もう私たち二人は…。だから、そのことを甲田サダトのファンや世の中の人々に植え付けてやるわ。永島を葬るこの機会に…。フフフ、せっかく連日TVで取り上げてくれてるんだから、これを利用しない手はないわよ…(薄笑)”


流子はサダトが自ら切断した性器が大岬沖で発見、回収された報道がなされたあと、永島弓子がハワイから帰国した翌日、あらかじめ用意していた手記をマスコミに向けて公表する…。




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