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遠き記憶を染める色【完結】
第34章 望むカタチ
望むカタチ
その流子の、一種サプライズなアクションに、TVをはじめマスコミは明快そのもの反応を示した。
それは見事なほど、一様に…。
その結果もまさに明快如実のものとなった。
今の世、世論とは誠に移ろいやすく、風に吹く方向には極めて従順である。
流子の手記がテレビのワイドショーで大きく報道されると、翌日には端的な世論と世間の目がものの見事に形成されたのだ。
そしてそれは、流子の”望むカタチ”にピタリ合致するものだった…。
***
「では、取材にあたった○○さん…。永島さんは今回、甲田さんが日記等で記していたとされる、お二人が結婚前提の交際を公にした1か月後にはすでに破局していたということを、事実として認めたということなんですね?」
『はい。その主だった原因が、すでに報道されてる甲田さんの持つ”特異な性癖”であったことを否定しない旨も、昨夜、自らのブログで表明しているんです…』
「ということはですよ、○○さん…。先週、永島さんが日本に帰国した際、マスコミに指摘されていた件について件ノーコメントを貫いていましたが、結局、甲田さんとは幼いころから親しかったという、千葉在住の…、ええと…、実名でよろしかってですかね?」
ーここでメインコメンテーターは、スタジオ内の女性レポーターに確認し彼女は小声で”はい”と頷いたー
「…今回、甲田さんの日記の写しを添えて手記をマスコミ通じて公開された現在高校生の女性は、実名を明かしてよろしいとのことですので、ええと、潮田流子さん…、ということで以後お伝えいたしますが…、その潮田さんが、亡くなられる直前の甲田さんから託されたという、日記などのいわば証拠を突き付けられて、永島さんは事実を認めざるを得なくなったと言えませんか?」
『はい、その通りだと思うんです。ただ、その際、永島さんは甲田さんの所属する事務所側も双方のイメージダウンを危惧して、しばらくは交際が進んでいるということで通すことに同意していたと…。昨日のブログではこのことも発信していました。ところが、今朝、潮田さんからマスコミ各社へ再びコメントが寄せられまして…。破局の原因が例の性癖であったということは、甲田さんは事務所側に伏せていたらしいということなんです』
***
その流子の、一種サプライズなアクションに、TVをはじめマスコミは明快そのもの反応を示した。
それは見事なほど、一様に…。
その結果もまさに明快如実のものとなった。
今の世、世論とは誠に移ろいやすく、風に吹く方向には極めて従順である。
流子の手記がテレビのワイドショーで大きく報道されると、翌日には端的な世論と世間の目がものの見事に形成されたのだ。
そしてそれは、流子の”望むカタチ”にピタリ合致するものだった…。
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「では、取材にあたった○○さん…。永島さんは今回、甲田さんが日記等で記していたとされる、お二人が結婚前提の交際を公にした1か月後にはすでに破局していたということを、事実として認めたということなんですね?」
『はい。その主だった原因が、すでに報道されてる甲田さんの持つ”特異な性癖”であったことを否定しない旨も、昨夜、自らのブログで表明しているんです…』
「ということはですよ、○○さん…。先週、永島さんが日本に帰国した際、マスコミに指摘されていた件について件ノーコメントを貫いていましたが、結局、甲田さんとは幼いころから親しかったという、千葉在住の…、ええと…、実名でよろしかってですかね?」
ーここでメインコメンテーターは、スタジオ内の女性レポーターに確認し彼女は小声で”はい”と頷いたー
「…今回、甲田さんの日記の写しを添えて手記をマスコミ通じて公開された現在高校生の女性は、実名を明かしてよろしいとのことですので、ええと、潮田流子さん…、ということで以後お伝えいたしますが…、その潮田さんが、亡くなられる直前の甲田さんから託されたという、日記などのいわば証拠を突き付けられて、永島さんは事実を認めざるを得なくなったと言えませんか?」
『はい、その通りだと思うんです。ただ、その際、永島さんは甲田さんの所属する事務所側も双方のイメージダウンを危惧して、しばらくは交際が進んでいるということで通すことに同意していたと…。昨日のブログではこのことも発信していました。ところが、今朝、潮田さんからマスコミ各社へ再びコメントが寄せられまして…。破局の原因が例の性癖であったということは、甲田さんは事務所側に伏せていたらしいということなんです』
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