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異邦人の庭 〜secret garden〜
第6章 ペニー・レーンの片想い 〜Lady Yの告白〜
…今まで、アルフレッドとの恋は、侍女の七重のみが知る秘密であった。
誰にも話すことはできなかった。
なぜなら、この恋は背徳であり罪の恋であるからだ。
誰かに相談したくてもできないこの恋を、オルソープ男爵夫人は味方と言ってくれたのだ。
まだ緊張が残る貌をした徳子の白い頰を、夫人のレースの手袋の指先が優しく撫でる。

「ヤマトナデシコは真面目なのね。
既婚者のラブアフェアなど上流社会の一般教養みたいなものなのに」
ふんわりと笑うオルソープ夫人は無邪気な少女のような可愛らしさに溢れている。
夫人の恋愛沙汰は社交界の風物詩のようなものであった。
軽やかに、色とりどりの薔薇園を美しい蝶が舞うように、恋の駆け引きを楽しんでいた。
…ほかの貴婦人たちも例外ではなかった。

「日本では夫に貞操を尽くす貞女がごく当たり前の常識ですから…。
…浮気をする妻など、万死に値するのです」
…アルフレッドとの恋が千智様に分かったら…。
ふと、考える。
千智様はなんと仰るのかしら…。

軽蔑?憎悪?
…それとも…

「…ヨシコがアルフレッドと恋をしたのには、それなりの理由があるのではないかしら?」
その一言にはっと息を呑む。
にっこりと笑うその貌はやはり屈託もなく、やわらかな優しさに満ちていた。
「…レディ・イーディス…」

そうして、夫人は居住まいを正すとまるで親身な姉のように尋ねた。

「…ヨシコ、貴女はこのまま日本に帰るおつもりなの?
アルフレッドを、貴女の恋を、忘れられるの?」
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