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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「…なんて書いてあるのかしら…?」
紗耶はその文字を白く細い指先でなぞった。
藤木が起き上がり、紗耶を背中から抱くように文字を見つめる。
「…Je taime pour toujours…。
永遠に、貴方を愛している…」
美しい声が唄うように、美しいフランス語を奏でる。
「…誰が書いたのかしら?」
不思議そうに瞬きしながら、紗耶が尋ねる。
藤木が静かに微笑んだ。
「…きっと以前のこの部屋の持ち主だね」
文字をなぞる紗耶の指に、藤木の美しい指が重なった。
「…彼らは、この上なく愛し合っていた…。
そうして、そのまま永遠の愛を全うした…。
…幸せな…幸せな二人だ…」
独り言のように呟いた。
美しい榛色の瞳に、慈愛と憧憬の色が浮かんでいた。
「…先生…」
…そのまま、藤木の手を握りしめる。
首を巡らし、男を見上げる。
「…それなら、私もその方たちに傚うわ。
私も永遠に先生を愛するわ」
…永遠という名の一瞬に…。
あるいは、一瞬という名の永遠に、自分は愛を誓う。
他人からは儚く見えようとも、自分にとってそれが紛れもない真実なのだから。
榛色の瞳が大きく見開かれ、やがて紗耶の大好きな美しい色を帯びて、煌めいた。
「…紗耶…」
藤木の手が、愛おしげに紗耶の白い頰を撫でる。
…やがて、二人は同じ愛の誓いを告げるのだ。
永遠に解けないことを祈る、愛の口づけとともに…。
〜la fin〜
紗耶はその文字を白く細い指先でなぞった。
藤木が起き上がり、紗耶を背中から抱くように文字を見つめる。
「…Je taime pour toujours…。
永遠に、貴方を愛している…」
美しい声が唄うように、美しいフランス語を奏でる。
「…誰が書いたのかしら?」
不思議そうに瞬きしながら、紗耶が尋ねる。
藤木が静かに微笑んだ。
「…きっと以前のこの部屋の持ち主だね」
文字をなぞる紗耶の指に、藤木の美しい指が重なった。
「…彼らは、この上なく愛し合っていた…。
そうして、そのまま永遠の愛を全うした…。
…幸せな…幸せな二人だ…」
独り言のように呟いた。
美しい榛色の瞳に、慈愛と憧憬の色が浮かんでいた。
「…先生…」
…そのまま、藤木の手を握りしめる。
首を巡らし、男を見上げる。
「…それなら、私もその方たちに傚うわ。
私も永遠に先生を愛するわ」
…永遠という名の一瞬に…。
あるいは、一瞬という名の永遠に、自分は愛を誓う。
他人からは儚く見えようとも、自分にとってそれが紛れもない真実なのだから。
榛色の瞳が大きく見開かれ、やがて紗耶の大好きな美しい色を帯びて、煌めいた。
「…紗耶…」
藤木の手が、愛おしげに紗耶の白い頰を撫でる。
…やがて、二人は同じ愛の誓いを告げるのだ。
永遠に解けないことを祈る、愛の口づけとともに…。
〜la fin〜