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異邦人の庭 〜secret garden〜
第7章 コーネリアの娘
「え?ハイキング…ですか?」
サークル練習ののち、隼人から何気なく聞かされた話に紗耶はヴァイオリンの弓の手入れの手を止めた。
「そ。高尾山に新歓ハイキング。
来週の日曜日な。
これ、うちのサークルの恒例行事なんだわ。
だから必ず参加な」
隼人はギターをケースにしまいながら事も無げに答える。
「…あのう…。高尾山て…私、山登りしたことないんですけれど…」
おずおず切り出すと、隼人は白い歯を見せて笑った。
「高尾山のハイキングなんて幼稚園児が遠足で登るやつだぜ。
子どもだってスイスイだ。リフト乗ってもいいしな。
大丈夫。心配すんな」
「…そうですか…。
じゃあ、参加します」
ほっとしたように頷く紗耶に、隼人は何かを思い付いたかのように手を挙げた。
「あ、ちょっと待て。
紗耶、お前さ、歩ける服と靴はあるか?
カジュアルウェアにスニーカー」
紗耶はぽかんとした表情をする。
「え?」
「易しいハイキングとは言え、山歩きの格好は必須だぞ。
まさかそのひらひらした綺麗なお姫様のワンピースとハイヒールで歩くつもりじゃねえだろうな?」
「…でも…私、こういうお洋服と靴しか持っていません…」

…ふんわりしたパフスリーブのモスグリーンのワンピースにミルクティー色のストラップ付きのハイヒールは、千晴がデパートの外商を呼んで紗耶に選ばせたものだ。
…どうやら最近の千晴の趣味は紗耶の洋服や靴、バッグ、化粧品など、身の回りのものを自分で選んで買い与えることらしい…。
要らないと言うと悲しそうな貌をするので、紗耶は断ることができなかった。
困ったように自分のワンピースを眺める紗耶に、隼人はため息を吐いた。
「…しょうがねえなあ…。
お前、このあと時間あるか?
ちょっと、付いてきな」
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