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異邦人の庭 〜secret garden〜
第10章 ビーカーとマグカップ 〜甘く苦い恋の記憶〜
藤色の三尺帯が男の手でしなやかに解かれる。
「…いや…はずかし…」
着物の合わせを探る藤木の手を、紫織は思わず抑える。

「…わ、私…」
「…うん?」
「…下着…つけてないの…」
消え入りそうな小さな声で打ち明ける。
「…え?」
榛色の瞳が見開かれる。

羞恥に白い頰を染めながら、藤木を見上げる。
「…海で濡れてしまったから…洗濯して乾かせていただいているの…」

ふっ…と、藤木が艶めいた微笑みを浮かべる。
「…僕もだよ…」
「…先…生…」

そのまま組み敷かれ、藤木がゆっくりと覆い被さる。
…じっくりと、身体を密着させられる。

「…あ…っ…」
紫織は思わず声を上げた。

…紫織の浴衣越しの肉付きの薄い下腹部に、男の熱く硬く兆したものが押し当てられたのだ…。

「…あつ…い…」
初めて肌で感じる男の肉体の生々しさの衝撃に、紫織は口唇を震わせ、切ない吐息を漏らす。

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