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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
…どうしたのかしら…。
年明け三が日の朝から、紫織はため息をつく。
携帯のメールを朝から何度も確認しても藤木からの受信はない。
電話をかけても繋がらないのだ。
留守番電話にメッセージを残しても、いつもならすぐにあるはずの返事もない。
…圏外にいるのかしら…。
…でも…。
…お正月は明治神宮の初詣に一緒に行く約束だったのに…。
元旦の朝、新年の挨拶のやり取りを電話でしたきり、音信がぷつりと途切れてしまっていた。
…その時は、特に変わった様子はなかったのに…。
重苦しい不安が一気に胸に広がる。
…先生に、何かあったのかしら…?
下田旅行の帰りの車中、藤木は言ったのだ。
「お正月は一緒に初詣に行こう。
三日なら外出出来るかな?
…あと数日で新年だ…。
またすぐに会える」
藤木は優しく微笑った。
「良いお正月を…」
…そう言って、いつもの優しいキスをしてくれたのだ…。
年明け三が日の朝から、紫織はため息をつく。
携帯のメールを朝から何度も確認しても藤木からの受信はない。
電話をかけても繋がらないのだ。
留守番電話にメッセージを残しても、いつもならすぐにあるはずの返事もない。
…圏外にいるのかしら…。
…でも…。
…お正月は明治神宮の初詣に一緒に行く約束だったのに…。
元旦の朝、新年の挨拶のやり取りを電話でしたきり、音信がぷつりと途切れてしまっていた。
…その時は、特に変わった様子はなかったのに…。
重苦しい不安が一気に胸に広がる。
…先生に、何かあったのかしら…?
下田旅行の帰りの車中、藤木は言ったのだ。
「お正月は一緒に初詣に行こう。
三日なら外出出来るかな?
…あと数日で新年だ…。
またすぐに会える」
藤木は優しく微笑った。
「良いお正月を…」
…そう言って、いつもの優しいキスをしてくれたのだ…。