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異邦人の庭 〜secret garden〜
第12章 ミスオブ沙棗の涙 〜遠く儚い恋の記憶〜
子どものように泣きじゃくる紫織を、堂島は暫く静かに見守っていた。

やがて、深く低い声が響いた。
「…まだ、藤木を忘れられないの?」
紫織は涙を流しながら頷く。
「あいつはもう紫織さんのもとには戻らないよ。
…結婚したんだ。ほかの女と。
色々な事情もある。
簡単には別れられない」
「…わかっているわ…」
「それでも、あいつがいいの?」

涙に濡れた白く艶やかな貌を上げ、紫織は真っ直ぐに堂島を見つめる。
「…先生が、もう私のところに戻らないと、わかっているわ…。
先生との恋は、もう終わったことも…わかっているわ…」

…でも…
震える小さな声で呟く。

「…まだ、忘れられないの…。
…忘れたくないの…。
…私の身体と、心が…先生を覚えていたいの…。
覚えていたいの…!」

…ごめんなさい…。

紫織は、静かに泣き崩れた。
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