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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「紫音…!お前なぜ…」
藤木が険しい表情で立ち上がる。
「パパがなんだか知らないけど、やたら悩んだりぼんやりしているからさ。
俺が発破かけにきたんじゃん。
…これは俺の問題でもあるからね」

訳がわからなかった。
…なぜ、藤木の息子がいきなり現れ、そして紗耶のことを知っているのか?
そう…彼はおかしなことを言っていた…。
…お母様と…先生が…?
何を言っているの?

茫然とする紗耶に、紫音と呼ばれた若い男はつかつかと近づく。
そうして、まるで値踏みするように紗耶をじろじろと見回した。
…藤木によく似た端正な貌立ちだ。
けれどその瞳は、黒々としてぞっとするほどに冷ややかだった。

「…ふうん…。母親にはあまり似てないね。
母親は…華やかで眼が覚めるような美人だった。
でもまあ、あんたも悪くはないけどね。
今時珍しいくらい清楚でお淑やかそうな子だ。
アメリカには一人もいないタイプだな。
如何にも温室育ちの世間知らずな童話のお姫様…て感じ。
パパ、趣旨替えしたの?
ロリコンだったの?
サイアク!マジ、ゲンメツなんだけど」
「やめなさい、紫音。
帰るんだ」
聞いたことがないほど強い口調の藤木が青年の肩を掴み、部屋から引き摺り出そうとする。
青年はそれを煩げに振り払い、益々語気を強めた。

「あんたさあ、フィアンセがいるんだろ?
なのにぬけぬけと他の男に愛の告白?
は!やっぱり血は争えないね。
虫も殺さぬ貌をして…厚かましいのは遺伝なんだな」
冷笑混じりに言われた言葉…。
けれど、紗耶は何も分からない。
訳が分からない。
なぜ、初対面の藤木の息子に、こんなに罵倒されなくてはならないのか?

「やめなさい。紫音!
紗耶さんは何も悪くないんだ。
彼女は何も知らない。
来るんだ、紫音」
強く諌める藤木を紫音は睨みつけ、突き飛ばす。
そうして紗耶の前まで詰め寄ると、冷く笑いながら叫んだ。

「へえ、あんた何も知らないの?
なら、俺が教えてあげるよ。
全部、全部!
あんたの母親はね、昔パパと付き合っていたんだ。
あんたの母親は生徒でパパは高校教師だった。
まるでメロドラマ…禁断の関係さ。
そう。二人は恋人同士だったんだよ!」
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