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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「紫音!黙りなさい!」
藤木が紫音を羽交い締めに押さえつける。
「出ていきなさい!」
その手を振り払い、怒りの眼差しで睨みつける。
「だって本当のことじゃん!
この子の母親とパパは恋人同士だった。
でも引き裂かれて、パパは仕方なくママと結婚した。
…違うね。グランマのためにね。
パパはドクターのママの強力なコネが欲しかったんだ。
グランマに、アメリカで心臓移植のオペを受けさせるために。
ただそれだけのために!
パパは愛のない結婚をした。
パパはママを愛してなんかいなかった。
打算のため、仕方なく結婚した。
その愛のない結婚の末に生まれたのが俺だよ」
「なんてことを言うんだ!」
紫音は怯まず、藤木に対峙する。
「だってそうだろう?
違う?パパはママのことをほんの少しでも愛していた?
いないよね?
うわべだけの、仮面夫婦だったじゃないか。
だから僕が十八になった途端あっさりと離婚して、日本に帰国したんだ。
この子の母親に会うために!
この子の母親と結婚するために!」 

凍りついたようにひとことも発せずにいる紗耶に、やや同情めいた眼差しで、紫音は見下ろした。
「…あんた、何にも知らなかったんだね。
お気の毒さま。
けれど、これが真実だ。
パパはあんたを愛しちゃいないよ。
パパが愛しているのは、あんたの母親だ。
…あんた、利用されたんだよ。
パパがあんたの母親と寄りを戻すためにね」

…可哀想なお姫様…。
だから、フィアンセのところに大人しく戻ったら?

唄うような哀れみの言葉に、紗耶はその場に糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちた…。

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