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異邦人の庭 〜secret garden〜
第4章 ミス・アリスと午後のお茶を…
…それから先のことは、紗耶は暫く思い出したくもなかった。
最悪の日々とはこういう事を言うのだと、しみじみと実感したからだ。

クリスマス・イブに起きたさまざまなショックと受験勉強の疲労が重なり、紗耶は正月明けのセンター入試の日に高熱を出し、試験を受けられなかったのだ。

一般入試でも、三田にある本命の難関私立大受験前にインフルエンザに罹り入試を欠席…。
…なんとか回復して受かったのは、京王線沿線の六大学のひとつの大学のみだった。

さまざまなハプニングに見舞われた紗耶を千晴は大層心配し、何度もお見舞いに来ると言って聞かなかったが、紗耶はその都度断った。

…まだ、冷静に千晴と会う自信がなかったからだ。


やがて受験がすべて終わると、高遠本家から使いが来た。
…紗耶が本家に移る日の段取りの相談だ。

政彦は紗耶に
「紗耶、まだ第一志望を諦めなくてもいいんじゃないか。
浪人して来年またチャレンジすればいい。
…その方が、お父様は嬉しいよ。
だって紗耶を手放さずに済むからね…」
と、優しく髪を撫でた。
千晴との約束は、紗耶が大学に合格してから…ということだったからだ。

…けれど…。

紗耶は小さく…けれど、きっぱりと答えた。
「…お父様。紗耶はM大に行きます。
…それから…来週から高遠本家に行きます」

政彦が眼を見張った。
「紗耶…!」
傍らの紫織が、遠慮勝ちに尋ねた。
「…本当に良いの?紗耶ちゃん…」

紗耶は紫織をじっと見つめ返した。
…いつ見ても、母は息を呑むほどに美しく嫋やかだった。
「ええ、お母様…」

…紗耶はお母様の身代わりでもいいの…。
千晴お兄ちゃまのお側にいられるなら…。

…だって…

心の中で、そっと寂しく呟いた。

…千晴お兄ちゃまを、愛しているから…。



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