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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
『…けれど、私の心にはミシェルしか存在しなかったのです。
ずっと昔から…。
あのころのミシェルは少しはにかみ屋さんで気が弱くて…。
けれど、誰よりも心優しくて…。
私はそんなミシェルに惹かれたの』
柔らかな口調で答える瑠璃子に、ミシェルが嬉しげにその手にキスを落とす。
『ルリコ…。
私は君に出会ったときから、ずっと恋をしていたよ』
…あの日、アキラの家を訪れたルリコは、まるでクリスタルでできた人形のように清らかで綺麗で可愛くて…私は泣きたいくらいに感激したんだ。
私の家の温室で、クリスマスローズに歓声をあげる君は、まるで天使みたいに愛らしかった…。
ミシェルがうっとりと呟く。
…藤木の目の前の老夫婦が一瞬にして、爽やかな少年と瑞々しい花のように美しい少女の姿にふわりと変わった。
それは確かに存在した、きらきら輝く彼らの美しい恋の記憶が見せたものだった。
『…私たちの交際に反対するルリコの父を説得してくれたのが、アキラだった…』
ミシェルは遠い眼差しで、遥か昔を思い起こすように瞬きをした。
ずっと昔から…。
あのころのミシェルは少しはにかみ屋さんで気が弱くて…。
けれど、誰よりも心優しくて…。
私はそんなミシェルに惹かれたの』
柔らかな口調で答える瑠璃子に、ミシェルが嬉しげにその手にキスを落とす。
『ルリコ…。
私は君に出会ったときから、ずっと恋をしていたよ』
…あの日、アキラの家を訪れたルリコは、まるでクリスタルでできた人形のように清らかで綺麗で可愛くて…私は泣きたいくらいに感激したんだ。
私の家の温室で、クリスマスローズに歓声をあげる君は、まるで天使みたいに愛らしかった…。
ミシェルがうっとりと呟く。
…藤木の目の前の老夫婦が一瞬にして、爽やかな少年と瑞々しい花のように美しい少女の姿にふわりと変わった。
それは確かに存在した、きらきら輝く彼らの美しい恋の記憶が見せたものだった。
『…私たちの交際に反対するルリコの父を説得してくれたのが、アキラだった…』
ミシェルは遠い眼差しで、遥か昔を思い起こすように瞬きをした。