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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「…お腹が空いただろう?
食事にしよう。
瑠璃子さんがチーズとたまごのキッシュとラタトゥイユを差し入れてくれている」
シャワーを浴びた紗耶に、藤木が優しく告げた。
「…あ…」
日が暮れたので、部屋の灯りが幻想的に灯っている。
柔らかな琥珀色の灯りに照らされた藤木は、美しい彫像のようだ。
…さらりとした生成りのシャツの胸元は大胆に開いて、紺碧色のチノパンツ、素足にサンダルといったラフな恰好がよく似合っていた。
「…先生…すごく…綺麗…」
思わず呟き、頬を染める。
…ていうか、こんなに綺麗なひとだったかしら…。
紗耶は密かに驚く。
日本にいた頃の藤木は端正だが、どこかスクェアな禁欲的な美しさを漂わせていた。
歳より若くは見えたが、落ち着きがあり、紳士然としていた。
…けれど今、目の前にいる藤木はどこか解放されたような自由な明るさの中にいるような気がした。
ニースの陽気な陽光や気候、この地が持つ独特の歴史や文化の成せる技なのだろうか…。
…先生…なんだかすごく若返ったわ…。
それに…なんというか…艶やか…というか…シルキーな感じ…。
見惚れてばかりいる紗耶に、藤木がぐっと貌を近づけた。
「何?どうしたの?そんなに僕の貌ばかり見て」
「あ、あの…。先生…すごく綺麗だなあ…て…」
しどろもどろに答える紗耶を、藤木は困ったように…けれど愛おしさを込めて、苦笑した。
「…それはこっちのセリフだよ。
紗耶は眩しいくらいに綺麗になった…。
美しい宝石のようだ…」
…そうして榛色の瞳に、艶めいた色を浮かべ、そっと囁いた。
「…本当はキッシュじゃなくて、紗耶を食べたいくらいにね…」
食事にしよう。
瑠璃子さんがチーズとたまごのキッシュとラタトゥイユを差し入れてくれている」
シャワーを浴びた紗耶に、藤木が優しく告げた。
「…あ…」
日が暮れたので、部屋の灯りが幻想的に灯っている。
柔らかな琥珀色の灯りに照らされた藤木は、美しい彫像のようだ。
…さらりとした生成りのシャツの胸元は大胆に開いて、紺碧色のチノパンツ、素足にサンダルといったラフな恰好がよく似合っていた。
「…先生…すごく…綺麗…」
思わず呟き、頬を染める。
…ていうか、こんなに綺麗なひとだったかしら…。
紗耶は密かに驚く。
日本にいた頃の藤木は端正だが、どこかスクェアな禁欲的な美しさを漂わせていた。
歳より若くは見えたが、落ち着きがあり、紳士然としていた。
…けれど今、目の前にいる藤木はどこか解放されたような自由な明るさの中にいるような気がした。
ニースの陽気な陽光や気候、この地が持つ独特の歴史や文化の成せる技なのだろうか…。
…先生…なんだかすごく若返ったわ…。
それに…なんというか…艶やか…というか…シルキーな感じ…。
見惚れてばかりいる紗耶に、藤木がぐっと貌を近づけた。
「何?どうしたの?そんなに僕の貌ばかり見て」
「あ、あの…。先生…すごく綺麗だなあ…て…」
しどろもどろに答える紗耶を、藤木は困ったように…けれど愛おしさを込めて、苦笑した。
「…それはこっちのセリフだよ。
紗耶は眩しいくらいに綺麗になった…。
美しい宝石のようだ…」
…そうして榛色の瞳に、艶めいた色を浮かべ、そっと囁いた。
「…本当はキッシュじゃなくて、紗耶を食べたいくらいにね…」