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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「…ああ…ん…っ…」
…男の口づけは、巧みで情熱的だった。
遠い記憶を辿り、行き着く。
懐かしく、刺激的で、胸が苦しくなる。
それは優しく、甘やかで、男の口づけは紗耶を再び夢うつつの世界に誘った。

「…愛しているよ…。
こうしていると、どうして紗耶なしに生きていけると思ったのか…。
自分が理解できないよ」
口づけの合間に、温かな吐息とともに、やや苦しげに吹き込まれる言葉に泣きそうになる。

「…私も…よ…。
先生と会えなかった日々が信じられない…」
…三年だ。
よく三年も我慢できたと思う。
ひたすら、藤木を探した。
探して探して…
もはや幻を追っているのではないかと思った。
…けれど…

「…もう、離さないよ。
紗耶が嫌だと言っても日本には帰さない。
…いいね?」

藤木はいた。
紗耶の眼の前に存在し、熱く狂おしく愛の言葉を語ってくれているのだ。

「…嬉しい…」

涙で歪む藤木の貌に頷く。

「…もう…離さないで…絶対に…」

「…紗耶…!」

…その約束の証としての口づけを、幾度も交わす。
何度交わしても、足りなくて、紗耶の桜色の口唇は、茱萸の色に色づき、やがて飽くことなく藤木に食まれてしまうのだ…。
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