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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
…今なら分かる。
自分は紗耶の無垢な魂に惹かれたのだ。
すべてを赦し、癒し、包み込む…その従順なる穢れなき魂に。
ひとときは、彼女から離れようとした。
これから始まるであろう紗耶の華々しい人生を壊したくなかったからだ。
…けれど、心はいつも紗耶を追い求めていた。
だから、彼女のために香水を作り続けていた。
いつか、会えたら…。
この香水を贈ろうと。
…そんな自分を醜いと自嘲しながら…。
先刻かかってきた国際電話。
…紗耶の元婚約者は、品位のある語り口で朗らかに告げた。
『…紗耶ちゃんを待つために僕の人生はあると考えると、とてもロマンチックなお話でしょう』
…その若さと余裕が羨ましいと思った。
…そう。
いつか自分は、彼に紗耶を託すことになるのだろう。
けれど、それはまだ遠い未来だ。
少なくとも、今ではない。
…だから、今宵、紗耶のすべてを自分のものにするのだ。
「…紗耶…」
…愛しているよ…。
囁きながら、この林檎の花の薫りを漂わせた美しく清らな娘を、深く深く、シーツの海に沈めた…。
自分は紗耶の無垢な魂に惹かれたのだ。
すべてを赦し、癒し、包み込む…その従順なる穢れなき魂に。
ひとときは、彼女から離れようとした。
これから始まるであろう紗耶の華々しい人生を壊したくなかったからだ。
…けれど、心はいつも紗耶を追い求めていた。
だから、彼女のために香水を作り続けていた。
いつか、会えたら…。
この香水を贈ろうと。
…そんな自分を醜いと自嘲しながら…。
先刻かかってきた国際電話。
…紗耶の元婚約者は、品位のある語り口で朗らかに告げた。
『…紗耶ちゃんを待つために僕の人生はあると考えると、とてもロマンチックなお話でしょう』
…その若さと余裕が羨ましいと思った。
…そう。
いつか自分は、彼に紗耶を託すことになるのだろう。
けれど、それはまだ遠い未来だ。
少なくとも、今ではない。
…だから、今宵、紗耶のすべてを自分のものにするのだ。
「…紗耶…」
…愛しているよ…。
囁きながら、この林檎の花の薫りを漂わせた美しく清らな娘を、深く深く、シーツの海に沈めた…。