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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
…紗耶の青白く高価な絹のようになめらかな下腹部は肉付きが薄く、まだ稚い少女のようだった。
その下生えは淡く、密やかな花陰は透けて見えるほどだ。
藤木は羞恥に打ち震える清らかな娘を、熱い眼差しで凝視した。

…か細い骨格、まだ未熟な固い蕾を秘めた…けれど開花すればどれだけ匂いやかな臈丈けた美しい女性に化身するか、容易に想像できるような楚々とした白い花のような娘だ。

…この娘の母は、華奢な体躯だったが、もっと成熟したからだをしていた。
美貌もからだも大人びていたのだ。
そのからだに、若い藤木は溺れた。

そう無意識に思い起こす自分を、老獪で醜いと藤木は思う。

…この娘の母…紫織を、藤木は愛していた。
初めて心から愛した娘だった。
けれど、若さと…何よりも己れの弱さから、彼女を失った。
再会しても、同じだった。
自分は想い出の中の彼女を愛し、求めていたのだ。

空虚な思いを抱えたままの自分の心の扉を開け放ってくれたのは、紫織の娘…紗耶だった。

紗耶は、紫織とは容姿も性格も似てはいなかった。
紫織は華やかな、誰もが賞賛する麗しい大輪の薔薇のような美貌だった。
性格も溌剌と闊達で勝気な娘だった。

…紗耶は、一見すると地味な容姿だ。
性格も今時珍しいほどに大人しく、控えめではにかみ屋だ。
けれど、その貌は品の良い女雛のように整い、無垢な美しさと気品に溢れていた。
性格も、実は芯が強く、揺るぎない信念と…そして滾るような情熱を秘めていた。

…藤木は、そんな紗耶に惹かれ…いつしか、心から愛するようになっていたのだ。
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