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妖女な幼女【完結】
第1章 ナンパされたオヤジ
ナンパされたオヤジ
「コンニチワ~!」
「…こんにちわ」
信号待ちしていた40代後半のS氏は、いきなり赤いランドセルを背負った女の子に声をかけられ、きょとんとしていた。
「おじさん、そこの角の保険屋さんですよね?」
「ああ、そうだよ。キミ、知ってたの?」
「はい。学校の行き帰りで毎日通ってますので。この坂の途中が家なんで、一緒に帰りませんか?」
「えっ…、じゃあ、おじさんが坂の上に住んでることも…?」
「はい。時々見かけるんです」
”参った…。まあ、ウチの事務所は小学校のすぐ近くでモロ通学路だから、顔ぐらい覚えられても不思議はないが…”
***
S氏は6年前から、自宅から歩いて10分の事務所を借り、保険代理店を営んでいた。
本当は、木造2階建ての自宅に事務所スペースを増築したかったのだが、同居している母親が納得せず、今の事務所に落ち着いた訳だったが…。
何しろ、10以上前に父親を病気でなくし、その直後、もともと母親とは折り合いの悪かった妻が当時中学生だったい一人息子を連れ、家から出ていった事情があり、車いすで要介護状態だった母へは目の届くところで仕事をしなくてはならない事情がS氏にはあったのだ。
その際、どうせなら健康の為、晴れた日は事務所の賃料に含まれている駐車場に車を置いて、歩いて通勤することにしていた。
さらに、ここ数年は週2回、概ね午後3時から介護入浴の付き添いで、この時間帯には一時帰宅していたのだ。
”つまりはこの子、月曜日と木曜日には下校時間にかぶさってオレが家に歩いて向かうのを周知していた訳か…”
数十センチは低いその小学生の少女と並んで歩くS氏は、心の中で苦笑を繰り返すほかなかった。
それは、いろんな意味で…。
***
「コンニチワ~!」
「…こんにちわ」
信号待ちしていた40代後半のS氏は、いきなり赤いランドセルを背負った女の子に声をかけられ、きょとんとしていた。
「おじさん、そこの角の保険屋さんですよね?」
「ああ、そうだよ。キミ、知ってたの?」
「はい。学校の行き帰りで毎日通ってますので。この坂の途中が家なんで、一緒に帰りませんか?」
「えっ…、じゃあ、おじさんが坂の上に住んでることも…?」
「はい。時々見かけるんです」
”参った…。まあ、ウチの事務所は小学校のすぐ近くでモロ通学路だから、顔ぐらい覚えられても不思議はないが…”
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S氏は6年前から、自宅から歩いて10分の事務所を借り、保険代理店を営んでいた。
本当は、木造2階建ての自宅に事務所スペースを増築したかったのだが、同居している母親が納得せず、今の事務所に落ち着いた訳だったが…。
何しろ、10以上前に父親を病気でなくし、その直後、もともと母親とは折り合いの悪かった妻が当時中学生だったい一人息子を連れ、家から出ていった事情があり、車いすで要介護状態だった母へは目の届くところで仕事をしなくてはならない事情がS氏にはあったのだ。
その際、どうせなら健康の為、晴れた日は事務所の賃料に含まれている駐車場に車を置いて、歩いて通勤することにしていた。
さらに、ここ数年は週2回、概ね午後3時から介護入浴の付き添いで、この時間帯には一時帰宅していたのだ。
”つまりはこの子、月曜日と木曜日には下校時間にかぶさってオレが家に歩いて向かうのを周知していた訳か…”
数十センチは低いその小学生の少女と並んで歩くS氏は、心の中で苦笑を繰り返すほかなかった。
それは、いろんな意味で…。
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