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sweet / 狂おしく咲く椿
第4章 初恋のため息
椿さんと入れ違いに女性のお客さんがお店入ってきた

ツヤツヤの黒髪には茶色のメッシュが一筋入っている。
綺麗に切りそろえられた前髪から大きくて綺麗な目がのぞく、唇には真っ赤な口紅が艶やかに光っている…同性の私でも本気で迫られたら揺らいでしまうかもしれないくらい。

「いらっしゃいませ」
にこりと営業スマイルで微笑む

「ねぇ…、ここ、いつ出来たの…?」
まだ出来たてで綺麗な店内を見渡しながら、首を少し傾げながら透き通った声でそう尋ねる。

「一昨日ですよ、近所にお住まいなんですか?」
そう尋ね返すと、そうよ と彼女は微笑んだ
「でも、ほんの先週までロンドンに住んでたの」
「そうなんですか…‼ 」

聞くところによると、彼女の名前はサクラ、サクラは先週までモデルの仕事でロンドンに住んでいて、そのモデル業をやめ日本に帰ってきたんだという。
「仕事ばっかりの生活には飽きちゃったの、ジャパンはやっぱりいいわね」

話し上手で彼女の話はどれも新鮮で面白かった

「うふふ…、アタシあなたの事気に入っちゃったわ、毎日来てもいいかしら?」

もちろん、と答え開店記念の粗品用の赤い一本のバラの花をラッピングして渡した。

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