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sweet / 狂おしく咲く椿
第1章 春風が運んだ花
お店を締める5時。

夕陽に照らされる花たちもとても綺麗

しばらく店の前の花壇の前にしゃがみこみじっと花たちを見つめていた。


「あ、あの…っ」

少しハスキーな若い男の人の声が背中の方から聞こえた
後ろを振り返ると和服に身を包んだ綺麗な男の人が頬を淡い桜色に染めて立っていた。

「いらっしゃいませ」

私は立ち上がって少し戸惑いながら営業スマイルをむける
初日くらい、営業時間狂ってもいい…よね?


「華鬘草は置いていますか?」

男の人は私につられてふわりと微笑む

華鬘草、スズランに近い形態で花の部分がハートみたいになっている可愛い花。

「ありますよ、置いてるのは…白とピンクですね」

小さい鉢植えに入った華鬘草を彼の前に差し出す。

「どちらも頂きます」

私を見つめながらにっこりと無邪気に微笑んだ

笑顔が可愛い人だなぁ…

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