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sweet / 狂おしく咲く椿
第4章 初恋のため息
「あのね、凛。 アタシ、こんなに惹かれる人を見つけたのは初めてなの」
サクラが私の頬に手を添える
「凛がバラをくれたとき、嬉しかったわ」
「あのね…‼ サクラ…」
バラのことは話しておかなきゃ。
私はバラを粗品としてお客さんに配っていることを話した。
話を聞いたサクラはため息をつき、私を見つめ直す。
さっきとは違う強い眼差し。
「きらいっ」
「えっ、あ…」
サクラは私のほっぺをぶにゅ、と両手で押しつぶした
「ひゃ、ひゃくら…」
「はぁ…、こんなことで嫌いになれたら恋なんて何度もしてるわ…」
手を離し、また同じような深いため息をつく。
「アタシ凛を諦める気、ないわ。 寧ろ燃えちゃったかもね、ライバルもいることだし。」
ライバル…、椿さんのことかな…。
いやいや! 彼は勧誘のために…。
「凛。」
「はいぃっ!」
いきなり呼ばれた名前に驚き声が裏返る。